個人(または法人)の寺院への寄付控除について
一般的にお寺に寄付した場合、その寄付した人に対して所得税控除などの優遇措置はありません。(認定NPO法人に寄付する場合は一部控除を受けられることがあります。)
ただし、国宝や重要文化財の保護・防災系費用に充てられることを目的とした「指定寄付金」として指定されている場合はあります。
また、震災(神戸・東日本)における甚大な事態が起きた時は特例措置として「指定寄付金」の対象とされる場合があります。
対象とされた場合は、必ず寄付者にその旨をお伝えください。法人の場合、寄付金を全額損金計上できるとのことですから、寄付は集まりやすくなると思います。ぜひ説明会を開いたり広く告知すべきです。
会計は「特別会計」で分けて行ってください。
通常のお寺会計とは分け、「本堂修復特別会計」などとして別会計で行うべきです。
東日本大震災での指定寄附金制度について
東日本大震災で被災した宗教法人の建物等の復旧のために、宗教法人が募集する寄附金で、次の要件を満たすものとして所轄庁の確認を受けたものについては、寄附者が所得税又は法人税の税制上の優遇措置を受けることができます。
優遇措置の内容
個人の場合—> 所得金額の40%又は寄附金額のいずれか少ない方の金額から2千円を控除した金額が所得から控除されます。
法人の場合 寄附金の全額を損金に算入できます。
指定寄附金の募集の対象となる施設
指定寄附金の募集の対象となる施設は、宗教法人の所有していた建物(その附属設備を含む。)及び構築物並びにこれらの敷地の用に供される土地その他の固定資産(以下「建物等」といいます。)で、次の要件を全て満たしているものが対象となります。
宗教法人が専ら自己の宗教活動又は公益事業の用に供していた建物等であること。
東日本大震災により、建物等が滅失又は損壊し、補修なしには建物等として本来の機能を果たさない、ないしはその利用の継続が困難であること。
申請等の方法
単立宗教法人は、自ら所轄庁へ申請する必要があります。
被包括宗教法人は、自ら所轄庁へ申請する方法と、包括宗教法人を通じて申請する方法があります。本山へお問い合わせ下さい。
※申請の前に県庁の総務部法務学事課に連絡し、ご相談下さい。
申請期限
東日本の場合、平成31年3月31日までに所轄庁による確認を終える必要があるとのことです。
リンク:岩手県「東日本大震災で被災した宗教法人に係る指定寄附金について」
補足
※通常の寄付金について、法人は「損金算入限度額」があるそうです。
(政治団体・政党・お寺・神社・公団・会議所・町内会など)
補足2
※これは宗教法人内のお話ですが、収益事業を行っている場合、所得金額の20%を法人税が課税されないまま収益事業以外の事業に所得金額の20%を支出することができます。
(みなし寄付金)