寺社にも求められる『電話応対能力』
『電話応対の高品質化』 に取り組む寺院
電話は曲者だ。
寺社にとってネット社会が進んできた今でも電話が一番の重要な非対面コミュニケーション・相談ツールであり『過去の宗旨は不問の葬儀』『墓地や納骨堂の問合せ』など新規顧客獲得の重要な機会でもある。
一方で煩雑なサービス業務という側面も否めない。
突然の電話相談。その内容は多種多様、すぐには答えられないことも多い。同姓の場合も多く間違えたり勘違いもしばしば。
対面ではないので表情もわからない。誰かわからないので返答に困ることもある。
長期出張をして帰ってくると電話機の着信履歴が件数制限で消えていてかけなおせないこともある。
この電話対応の能力と質をアップすることができたら――――と取り組んでいる寺社があるという。
その課題解決からついにはソフトウェアの誕生に至ったその経緯を聞いた。
相談内容は多種多様・求められる対応力
「お宅のところは、よそのお寺と違って電話の応対の感じがええね」
国の名勝・錦帯橋で知られる山口県岩国市にある瑞相寺。
お檀家さんから度々そんな声が挙がるほど三谷彰寛住職は「優しさと安心感を感じてもらえるような電話応対」を心がけ神経をすり減らしていた。
かかってくる電話は様々だ。お檀家さんからであってもすべての人を把握はできない。
その上、家の主人からであったりご家族からであったり、時には親せきだったりする。
次の法事やお墓の相談、予定を知りたいと言われて即答できないことも多く、電話を切って調べてかけ直すうちに過ぎる時間はあっという間だ。
住職自身でもそうだとあっては、スタッフはなおさらのこと。できる限り長文でメモに残し、カレンダーやPCに記入する努力を惜しまなかったが限界を感じていた。
永代墓や納骨堂を造成し多忙になるにつれ、電話応対のリソースとなる情報の共有化が困難になっていったのだ。
アナログ的手法では限界があると考えた三谷住職が連絡取ったのは、以前より使っていた寺院ソフト「沙羅」の開発元(京都市)だ。
「個人名」とともに「家」としての情報も表示
寺院コムは三谷住職と相談しながら電話の着信番号取得ツールを使い沙羅のデータを表示させることにした。
試作したシステムは次のような機能を実現させた。
まず電話が鳴った瞬間にパソコンの画面上に通知ウインドウが開き誰であるかを知らせる。
一般的なシステムでは着信履歴で表示されるのは「個人」であるが、その電話が家の主人からであっても家族であっても「家」として同一の情報ウインドウと履歴が立ち上がる。
その画面には過去帳と今年の年忌・過去の電話履歴やメモも表示される。
また、スタッフの机上、離れた部屋にあるノートPCにもそのウィンドウは同様に表示されるため電話の子機でも同様に対応できる。
記憶頼りから脱却し、誰がどの机で電話を取っても相手に応じて的確に対応できるようになった。
電話をかけてくる人にとっても話が早く好評のようだ。
通知ウインドウにはメモも書いて残し、それは即座に他のパソコンにも反映される。
ソフト「沙羅」と電話の組み合わせから付けられた名称は「サラデン」。
この新ソフトは、現場の声を反映してさらに充実を続けている。
例えば「お檀家さんは青、墓の新規申し込み者は緑、業者は黒」というように色分け表示や「ウィンドウを何秒表示させるか」「名簿に自動登録をさせるか」の設定などは、大阪の海泉寺・松山昌司住職によるアイデアだ。
海泉寺は新規問い合わせが多く納骨堂や墓地を購入する方は見学日付確認や手続きのため何回も電話のやり取りがある。
進捗状況などの確認にもサラデンを大いに活用しているそうだ。
松山住職は「いくら綺麗なホームページを作っても電話対応が悪かったら離れていく。毎回相手様のことを聞き出す無駄なやり取りをなくすことは相手様にも喜ばれます。」と話す。
「沙羅」をLAN対応で高速化させた「シンサラ」でも、その機能はさらに生かされる。
相手を思いやるコミニュケーションには正確な情報蓄積と活用が不可欠だ。
(問合先・寺院コム https://jiin.com)
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